日々の読書日記

読書の忘備録です

128回目「テオレマ」(ピエル・パオロ・パゾリーニ監督)

ブルジョア家族の住む屋敷に、ある日突然、美少年がやって来て、家族全員と性的な関係を結び、唐突に去っていく。その後、各々の家族たちは……

性的な関係とは言っても直接的な描写はあまりない。肉体的な繋がりよりも精神的な繋がりを表しているのか、なんとも観念的なシーンが多い。

あくまで自分の感覚だが、冒頭からの10分程は、よく分からない映像が続き、その「よく分からなさ」が興味をそそる訳でもなく、途中で見るのを止めようかなと思った。起承転結の「起」に至るまでが退屈だった。

青年が登場してからも、なんとなく分かるようで分からんシーンが続くが、しかし、青年登場以降の「よく分からん感じ」は、冒頭10分の「よく分からん感じ」ではなく、「よく分からん感じ」自体が魅力であり、ゆえに、よく分からんけど見続けようと思いとどまらせられた(なんか文章おかしいですね。何言ってるか分かりませんね。すみません)

家庭の平穏が一人の闖入者の出現で崩れるが、やがて新しい秩序に慣れ、新しい快感を見出す。闖入者の退場で、また保たれていたバランスが各々崩壊し始める。不条理演劇を見ているような感じで、シンプルで幾何学的なプロットを観念的な哲学でコラージュしたような印象。

いや、よく分かりません。最後の文章は、ハッタリです。興味あれば是非見てください。