日々の読書日記

読書の忘備録です

120回目「フォロウィング」(クリストファー・ノーラン監督)

クリストファー・ノーランの映画は、『メメント』を最初に観て、「へぇ。けっこう面白いやんけ」と思い、以降も何本か観ているが、どうも最初に観た『メメント』を超える作品はなく、大作になればなるほど、面白さは下降気味で、『インターステラー』とか『…

119回目「知と愛」(ヘルマン・ヘッセ:新潮文庫)

中学生の頃に『車輪の下』『デミアン』を呼んで以来のヘルマン・ヘッセである。 『知と愛』である。「ナルチスとゴルトムント」という副題が付いている。ナルチスもゴルトムントも人物名だ。「知」を重んじるナルチスと「愛」を重んじるゴルトムント。時に哲…

118回目「96時間」(ピエール・モレル監督)

『96時間』というタイトルだが、実際の上映時間は93分。93分間全く無駄がない。 ストーリーをざっくり説明すると、リーアム・ニーソン扮する元CIA工作員がフランス旅行中に誘拐された実娘を96時間以内に救い出す、というもの。それだけの映画。深さも奥行き…

117回目「ある男」(平野啓一郎:文春文庫)

現役で活躍する現代作家の現代小説を読んだのは久しぶりだ。 平野啓一郎さんの『ある男』 シングル・マザーの里枝は、谷口大祐と名乗る男と出会い再婚する。ある日、大祐は仕事中の事故で命を落とす。やがて、夫だと思っていた「谷口大祐」は名前も素性も過…

116回目「ゴッドファーザー part Ⅱ」(フランシス・フォード・コッポラ監督)

昔。定食屋に一人で昼飯を食べに行った。ランチ時で店内はかなり混んでおり、明らかにホールスタッフの数が足りていなかった。 そこへ、50代くらいの見るからに柄の悪いヤクザ風のおっさんが、店に入り食券を買ってテーブル席に座ったが、店員は忙しすぎてお…

115回目「マッチ工場の少女」(アキ・カウリスマキ監督)

最近では『枯れ葉』で監督に復帰したフィンランドの巨匠、アキ・カウリスマキが1990年に撮った映画。 アキ・カウリスマキの映画は初期の作品を除いて殆ど観ている。『マッチ工場の少女』も10代の頃に一度観た。70分弱と短く、あまり印象に残っていなかったの…

114回目「パルタイ」(倉橋由美子:新潮文庫)

映画『関心領域』の感想を書こうと思ったが、やめる。すでに多くの人が、ブログや動画でこの映画の感想を述べ解説している。幾つか拝見したが、そのどれもが非常に得心のいくもので、今更自分如きが、このブログで言及しても意味がないと思ったからだ。 ただ…